网站链接: 老印书画国际 雲亭勸水
当前位置: 首页 > 书籍

挪威的森林(ノルウェイの森)

作者:村上春樹   发表时间:2024-11-15 01:29

あとがき


  僕は原則的に小説にあとがきをつけることを好まないが、おそらくこの小説はそれを必要とするだろうと思う。
  まず第一に、この小説は五年ほど前に僕が書いた『螢』という短篇小説(『螢?納屋を焼く?その他の短編』に収録されている)が軸になっている。僕はこの短篇をベースにして四百字詰三百枚くらいのさらりとした恋愛小説を書いてみたいとずっと考えていて、『世界の終わりとハードボイルド?ワンダーランド』の次の長篇にとりかかる前のいわば気分転換にやってみようというくらいの軽い気持でとりかかったのだが、結果的には九百枚に近い、あまり「軽い」とは言い難い小説になってしまった。たぶんこの小説は僕が思っていた以上に書かれることを求めていたのだろうと思う。
  第二に、この小説はきわめて個人的な小説である。『世界の終り……』が自伝的であるというのと同じ意味あいで、F?スコット?フィッツジェラルドの『夜はやさし』と『グレート?ギャツビイ』が僕にとって個人的な小説であるというのと同じ意味あいで、個人的な小説である。たぶんそれはある種のセンティメントの問題であろう。僕という人間が好まれたり好まれなかったりするように、この小説もやはり好まれたり好まれなかったりするだろうと思う。僕としてはこの作品が僕という人間の質を凌駕して存続することを希望するだけである。
  第三にこの小説は南ヨーロッパで書かれた。一九八六年六年十二月二十一日にギリシャ、ミコノス島のヴィラで書き始められ、一九八七年三月二十七日にローマ郊外のアパートメント?ホテルで完成された。日本を離れたことがこの小説にどう作用しているのかは僕には判断できない。何か作用しているような気もするし、何も作用していないような気もする。ただ電話も来客もなく仕事に熱中できたことは大変にありがたかった。この小説の前半はギリシャで、途中シシリーをはさんで、後半はローマで書かれている。アテネの安ホテルの部屋にはテーブルというものがなくて、僕は毎日おそろしくうるさいタペルナに入って、ウォークマンで『サージャンと?ペパーズ?ロンリー?ハーツ?クラブ?バンド』のテーブを百二十回くらいくりかえして聴きながらこの小説を書きつづけた。そういう意味ではこの小説はレノン?マッカートニーのa little helpを受けている。
  第四に、この小説は僕の死んでしまった何人かの友人と、生きつづけている何人かの友人に捧げられる。
  一九八七年六月
  村上春樹

上一页:第十一章

下一页:没有了

相关资讯

    暂无相关的数据...

共有条评论 网友评论

验证码: 看不清楚?
    首页 | 书馆 | 话题 | 集市 | 观影 | 赏图 | 下载 | 留言 | 链接

    每日9:00-24:00

    在线客服